「今日は先生と英語でおしゃべりして終わってしまった。楽しかったけれど、これで英語が上達するのかな?」
英会話のフリートークレッスンを受けて、そんなふうに感じたことはありませんか。
新しい単語を10個覚えた。問題集を3ページ進めた。こういう勉強には、やったことが目に見える分、充実感があります。
それに比べると、ただ話した時間には成果が見えにくいですよね。特に、きちんと勉強してきた方ほど、「この時間で、もっと練習した方がよかったのでは」と思うかもしれません。
でも私は、この「ただ話した時間」の価値を、もう少し見直してもよいのではないかと思っています。
知っている表現でも、会話の中ですっと出ますか?
例えば、こんなやり取りです。
“What did you do last weekend?”
“I went shopping with my daughter.”
この英文を読めば、意味も文の作り方もすぐ分かる方は多いでしょう。でも、実際の会話では「買い物に行った、だから went…、娘と、だから with…」と、一つずつ組み立ててから答えていませんか。
知っている単語と文法でも、相手の質問を受けてすっと使えるかどうかは、また別なのです。
もちろん、少し考えたり、言いよどんだりするのは普通のことです。間を一切なくす必要はありません。
一人で言う練習ならできる表現も、相手の話を聞きながら、自分の伝えたいことに合わせて使うと、案外出てこないことがあります。
フリートークでは、その場で聞いて、その場で言葉を選んで返します。同じような話を何度もすることにも、このやり取りに慣れていく意味があるのです。
「来週、これを話そう」が勉強の中に生まれる
週に1回、英語で話す予定があるとします。
普段の学習中に、ちょうど自分の話に使えそうな表現が出てきました。
「あ、これ、来週のレッスンで話そう」
そう思った瞬間、その表現に使い道ができます。
例えば、休日に行った場所の話をしたい。最近始めたことを伝えたい。そんな予定があれば、教材に出てきた文も「覚えるべき例文」として眺めるだけではなく、自分ならどう使うかを考えられます。
レッスンの価値は、受けている時間の中だけに収まるものではありません。次に話す相手がいることが、日頃の勉強にもつながっていきます。
言えなかったことが、後から「ああ、これか!」になる
反対に、話した後の学習にも変化があります。
レッスンではうまく言えず、説明を諦めてしまった。数日後、教材を読んでいたら、まさにその言い方が出てきた。
「ああ、この前はこう言えばよかったのか!」
同じ表現でも、ただ説明を読むときとは受け止め方が違うのではないでしょうか。自分が伝えたかったことや、そのときの会話と結びつくからです。
その場で全部調べて、完璧に復習する必要はありません。言えなかったことが一つ頭に残っているだけでも、次に出会った英語を見る目が変わります。
うまく話せなかったレッスンにも、後の学習につながる材料があります。
「習ったことが言えた」は、次の学習のご褒美
そして、練習していた表現が会話の中ですっと出たとき。
「あ、今、言えた!」
この喜びは、問題集で正解したときとは少し違うものだと思います。覚えた英語を使って、自分の話が相手に伝わった。相手がうなずいたり、続きを聞いてくれたりする。その反応もうれしいですよね。
頑張っているのに何も変わらない、と感じる時期には、学習を続けるのがしんどくなることもあります。
そんなとき、小さな「言えた」が、また練習しようと思うきっかけになります。難しい表現でなくても構いません。以前は言えなかったことが一つ伝わった。それも、自分で確かめられる変化です。
相手がいるから練習できることもある
フリートークでは、用意した文を言うだけでは会話が続きません。
相手の返事を聞く。分からなければ聞き返す。興味を持ったことを質問する。言いたい単語が出なければ、知っている言葉で説明してみる。
こうしたことも、英語で人とやり取りするための大切な練習です。
さらに、「この人とまた話したい」「あの話の続きが聞きたい」という気持ちがあれば、英語を使う理由もできます。毎回、自分を奮い立たせて勉強するだけでは大変ですから、人とのつながりを続ける力にしてもよいと思うのです。
普段の練習と、会話の時間をつなげてみましょう
私は、文法の練習や、リピーティング・シャドーイングを含む音読練習も、とても大切にしています。フリートークだけで何もかも身につけよう、という話ではありません。
普段の練習で身につけた表現を、実際に誰かに伝えるために使ってみる。そして、会話で言えなかったことを、また普段の学習に持ち帰る。この行き来を作っていくことが大切だと思っています。
普段の学習とつなげるなら、まずは次のくらいで十分です。
- レッスン前:話したいことを一つだけ思い浮かべる。
- レッスン中:使えそうなら、最近習った表現を使ってみる。
- レッスン後:言えたことか、言いたかったことを一つだけ残す。
毎回すべてをこなす宿題にする必要はありません。会話を楽しむことまで忘れてしまったら、もったいないですからね。
次にフリートークを受けたときは、「新しいことをいくつ習ったか」に加えて、こんなところにも目を向けてみてください。
前より少し楽に言えたことはあったか。次に話したいことができたか。普段の勉強で使ってみたい表現が見つかったか。
勉強した実感が薄くても、英語を使って人とやり取りした時間には、見落としやすい価値があります。
エプラでも、一人で取り組む練習と、人とつながりながら英語に触れる時間の両方を大切にしています。ご自身の学習にも、誰かと英語で話す機会を組み合わせてみませんか。

