「インプット7:アウトプット3」。私は約15年、英語を教える中で、このバランスをお伝えしてきました。学ぶことと、自分で英語を使うこと。その両方を続けている方の変化を見てきたからです。

まず、ここでいうアウトプットは「自分が言いたいことを英語にすること」です。口に出せば何でもアウトプット、という意味ではありません。自分の考えや経験を英語で話すこと、そして自分が伝えたい内容を英語で書くことも含みます。

この記事の「アウトプット3」には、音読や瞬間英作文は数えません。音読は読む内容が決まっていて、瞬間英作文は英語にする日本語が与えられています。どちらも大切な練習ですが、「何を伝えたいか」から自分で考えて英語にする時間とは、分けて振り返ってみてください。

インプット10:アウトプット0になっていませんか?

単語を覚える。文法を勉強する。教材を読む。英語を聞く。こうしたインプットは、英語の知識や表現を増やしてくれます。知らない言葉や言い方を学ぶことは、話すためにも欠かせません。

でも、勉強の時間がすべてそこに向いていると、自分の言いたいことを英語にする経験が足りなくなります。読むと分かるのに、話そうとすると言葉が続かない。頭の中で文を組み立てるのに時間がかかり、会話の流れについていけない。そんな悩みを、指導の中で何度も聞いてきました。

「こんなに勉強しているのに、話せない」。それは努力が無駄だったということではありません。増えた知識を使いながら、会話を続ける練習が、まだ少ないのかもしれません。知識を増やす時間に加えて、自分の言葉で話す時間も必要なのです。

インプット0:アウトプット10にも、偏りがあります

一方で、会話をたくさんしている方にも、別の悩みが出ることがあります。慣れた言い方で、それなりに流暢に話せる。でも、正確さや表現の幅がなかなか広がらず、いつも同じ言葉に頼ってしまう。これも、指導で見てきた傾向の一つです。

大まかな意味は伝わっていても、細かな違いや気持ちまで伝えようとすると、うまく言えない。聞く側が「こういう意味かな」と補いながら理解していることもあります。本人にとっても、言いたいことがあるのに十分に伝えられないのは、もどかしいですよね。

そんなときは、新しい表現や文法を学び、英語の言い方に触れる時間が助けになります。話す経験を重ねることと、使える言葉を増やすこと。片方だけでなく、両方を育てていきたいのです。

初心者のうちから、両方を並行して

「もっと勉強して、話せるようになってから会話を始めよう」と思う方もいるかもしれません。でも、「話せるようになってから」と待っていては、話す力はなかなか育ちません。話せるようになるために、今の英語で話す練習を始めることが大切です。

今知っている英語で、自分のことを話してみる。言えなかったことは、先生に聞いたり、学び直したりする。そして、また話す。初心者のうちから、この行き来を作っていきましょう。学ぶ内容が増えれば話せることも広がり、話してみれば次に学びたいことも見えてきます。

7:3は、配分を見直す目安です

7:3は、毎日きっちり守るノルマではありません。普段の学習がどちらかに偏っていないかを見直すための目安です。最近の1週間を思い返してみてください。学ぶ時間はあっても、自分が言いたいことを英語にする時間は、ほとんどなかった。そんなことはありませんか?

これまでインプットに偏っていた方なら、一時的に話す機会を増やすことに重点を置いてもよいと思います。反対に、会話は続けているけれど言い方が広がらない方なら、学ぶ時間をしっかり確保する。これまでの積み重ねに合わせて、今必要なほうを補っていきましょう。

アウトプットが足りないと感じたら、ライブレッスンやマンツーマンで、自分の言いたいことを英語にする機会を増やしてみてください。参加する時間だけでなく、自分が話す時間にも目を向けると、学習の配分を見直しやすくなります。

7:3という数字を気にする以上に大切なのは、両方が学習の中にあることです。学びながら話す。話しながら、また学ぶ。あなたの英語学習も、このバランスから一度振り返ってみてくださいね。

参考資料

白井恭弘 監修・著『新装版 耳からマスター! しゃべる英文法』出版社紹介(コスモピア):大量のインプットと少しのアウトプットを組み合わせる考え方について。

IIBC NEWSLETTER Vol.148「英語学習の扉」田畑翔子氏の記事:インプットを7割以上にする学習配分の目安について。

類似投稿

コメントを残す